金利が上がるとインフレになると主張する人

経済の依存関係は難しいけど……

経済は相互依存していることが多いので、二者のどちらが原因で、どちらが結果か区別できない場合は少なくないです。ですが、どう考えても、デフレと低金利、インフレと高金利の関係は、デフレ、インフレが原因で、低金利、高金利が結果です。
ところが、「物価上昇率=(国内の)名目金利−(世界の)実質金利」という式から、低金利だからデフレになると主張する人がいます。

世界の実質長期金利は2〜3%で推移し、均等化する傾向がありますが、日本の長期金利(≑資本収益率)は1%程度と低いため、フィッシャー方程式から物価上昇率がマイナスになるわけです。

金利によるインフレ率のネガティブ・フィードバック

デフレだから低金利になるという因果関係でも上記の式は満たします。何より、低金利だからデフレになるとすると、インフレ抑制のための利上げ、景気刺激のための利下げといった普通の金融政策に全く反します。金利物価上昇率に及ぼす作用は上記の式とは全く逆です。金利は、物価上昇率にネガティブ・フィードバックします。