ミクロ経済学は論理的にデタラメ

現実経済には適用できないミクロ経済学のモデル

マクロ経済の理論家が使用するミクロ的基礎付けには、相互作用の効果によって複数均衡が生み出される余地が無い。

そもそも、均衡が存在するという考え自体が間違いでは……。

そうした追究において我々が経済学者として犯した最大級の過ちの一つは、経済学の前提を信ずるようになり、知的に意味をなさないことを言い始めたことにある、と私は思います。当初の狙いは、数学ならびに「最適化」行動という特定の仮定で基礎付けることにより、モデルが政策の変更に影響を受けなくなる、というものでした。しかしその際に、モデルが真実であるのは、基盤となる前提が真実である限りにおいてである、という重要なことを失念していました。やがて我々は、前提として置いていたことは実は現実の正しい描写であり、従ってモデルもまた現実の正しい描写であり、従って政策分析の際に依拠できる、と信ずるようになりました。

完全競争市場などのミクロ経済学のモデルは、取引にかかる調査や移動などの費用(金銭的なものだけでなく時間的なものなども含む)が数学的な意味でゼロであることを「前提」としているので、現実経済には適用できません。

論理的なミスに陥っていることに気づいていないミクロ経済学

前提条件を無視して、「真空では木の葉と石は同じように落下する。だから、大気中でも木の葉と石は同じように落下する」というのが、ミクロ経済学者の「論理」ですが、もちろん、この「論理」は間違いです。
ミクロ経済学者の「間違い」は、自分たちが、この「論理」を使っていることに気づいていないことにあります。