取引に付随する費用の影響は大きい

商品の価格、数量を含めた、取引全体の費用における取引に付随する費用の影響は、相対的に見るとかなり大きいです。部分均衡モデルや一般均衡モデルは取引に付随する費用を無視したモデルですので、取引に付随する費用は軽視されがちです。しかし、これは間違いです。

例えば、買う人の買う前の移動に関する費用は、買わなかったからといって消滅するわけではありません。これは、売る側にも言えます。売れなかったからといって商品の移動に関する費用が消滅するわけではありません。

このように、少なくとも、いくつかの種類の、取引に付随する費用は、価格と数量の積である代価より、相対的に大きいことになります。

取引が成立しなくても発生するような、取引に付随する費用に関しては、その予想される期待値が代価より相対的に大きいことになります。

純然たる金銭的価格ではなく、取引が成立しない場合も含めた、期待値で、取引全体の費用を考える必要があります。