所得は支出の結果

誰かの所得は別の誰かの支出の結果です。このことを理解せず、あたかも、天から降ってきたり、地から湧いていくるかのように思っている人々が多すぎます。

所得として受け取れるお金は、支出として支払われたお金です。したがって、社会全体としては、「支出=所得」です。社会全体として所得を増やすには、社会全体として支出を増やすしかありません。逆に言えば、社会全体として支出を減らすことは、社会全体として所得を減らすことです。

弱者保護が必要なのは、人道的理由だけではありません。純粋に経済的利益から言っても、弱者保護は必要です。多くの弱者は、得たお金をすぐ使ってしまいます。弱者のために使われたお金は、すぐ、別の誰かの所得となるわけです。そして、その所得が増えた人々が、さらにお金を使うことにより、別の誰かの所得となります。このようにして、社会全体の所得が増えることになります。

逆に、豊かな人々は、得るお金が増えても、増えた分の多くが貯蓄等に回ります。そのため、支出はさほど増えず、別の誰かの所得をさほど増やしません。

支出を増やせば増やすほど、その支出を受け取る側の所得は増えます。所得が増えた人々が支出を増やせば、別の誰かの所得が増えます。このようにして、社会全体の所得が増えます。

逆に、支出を削減すれば、その支出を受け取る側の所得は減ります。所得が減った人々が支出を減らせば、別の誰かの所得が減ります。このようにして、社会全体の所得が減ります。

このように、支出の減らし合いは、間接的には、首吊りの脚の引っ張り合いです。だから、私は、緊縮政策ではなく、虐殺政策と呼んでいるほどです。