ミクロ経済学が間違っている証拠

商品1個ごとにレジに並び直す?そして同じ商品という大ウソ個々の需要家は一人の供給者からしか買わないミクロ経済学の基礎的な間違いを指摘してきました。しかし、ミクロ経済学が間違っている証拠は、まだまだ、見つけられます。

見つけ易いものを三つほど挙げます。

  • 多種多様な商品が売り切れることなく、店頭に並べられている。
  • 熱い飲食物は冬に、冷たい飲食物は夏に、主に売られる。
  • 管理会計上の重要な分析の一つとして損益分岐点分析がある。

上二つは当たり前のことであり、ミクロ経済学が間違っている証拠になるのかと疑問に思う人もいるかもしれません。しかし、これらは、ミクロ経済学が間違っている証拠です。一番下の損益分岐点分析については、知らない人も多いかもしれませんが、検索すれば、いやと言うほど説明が見つかります。

多種多様な商品が売り切れることなく、店頭に並べられている

多種多様な商品が売り切れることなく、店頭に並べられています。売り切れは、鮮度が重要な食品等や、天災等による流通関係のトラブル以外、あまり発生しません。売り切れは、供給者にとって機会損失なので、供給者は、在庫増による費用増に見合う範囲で売り切れを避けようとします。

店頭に並べられている商品は、店頭在庫ともよばれますが、これらは、一種の売れ残りです。一般的な意味での売れ残りではありませんが、売り出しているのにまだ売れていないという意味での売れ残りには違いありません。

売れ残りがあるということは、潜在的な供給能力が需要の数量を上回っているということです。供給の数量が需要の数量を上回り続ければ、売れ残りが増え続けますから、供給者は、供給の数量を抑制して需要の数量と釣り合うように加減します。

完全競争市場では、各々の供給者は、無限の需要を持つと見なせると仮定されています。しかし、現実の経済では、各々の供給者は、有限の需要に直面しています。各々の供給者の供給する数量は、各々の供給者に対する需要の数量で決まります。

熱い飲食物は冬に、冷たい飲食物は夏に、主に売られる

熱い飲食物は冬に、冷たい飲食物は夏に、主に売られます。しかしながら、温めたり、冷やしたりする費用は、温度差が少ないほど少なくてすみます。つまり、熱い飲食物は夏の方が、冷たい飲食物は冬の方が、費用が少なくてすみます。もし、ミクロ経済学が主張しているように、価格が限界費用と一致する数量で供給するのならば、供給者たちは、熱い飲食物は夏に、冷たい飲食物は冬に多く売ることになります。

そうではなく、熱い飲食物は冬に、冷たい飲食物は夏に、主に売られます。予想できるでしょうが需要の多寡が原因です。

管理会計上の重要な分析の一つとして損益分岐点分析がある

管理会計上の重要な分析の一つとして損益分岐点分析があります。ある程度以上の経営知識を持つ人々にとって、損益分岐点分析の知識は必須と言えると思います。

損益分岐点分析では、供給する数量と無関係に発生する固定費と、供給する数量に応じて発生する変動費に分けて、費用を考えます。この時、変動費と供給する数量の関係は、直線で近似されます。ミクロ経済学で言うところの限界費用が一定であると、損益分岐点分析では見なします。ミクロ経済学では、限界費用逓増で、供給する数量以上のペースで費用が増えるとしています。

このように、現実の経済は、完全競争市場とは、似ても似つかないものになっています。それに対して、小さな独占市場の集まりという私の主張とは矛盾しません。