限界費用からは、夏にホットコーヒーを売り、冬にアイスコーヒーを売る

現実経済の市場は、ミクロ経済学の反証に満ちています。ここに挙げているのも、その一つです。

限界費用から供給の数量を決めたりしていない直接的証拠もあります。限界費用から言うと、夏にホットコーヒーを売り、冬にアイスコーヒーを売るはずだからです。

温めたり冷やしたりする費用は、温度差が少ないほど少なくなります。暖冬では暖房費が少なくなり、冷夏では冷房費が少なくなるのは、広く知られています。つまり、温かい飲食物を供給する費用は暑い夏の方が安くなり、冷たい飲食物を供給する費用は寒い冬の方が安くなるはずです。限界費用も同様です。限界費用から言うと、夏にホットコーヒーを売り、冬にアイスコーヒーを売るということになります。

もちろん、現実経済では逆です。『供給は需要で決まる』からです。冬にホットコーヒーを売り、夏にアイスコーヒーを売るのは、需要によります。