自分自身を客観的に見ることはできない

元は、福田総理大臣が辞任表明会見で、記者から「総理の会見はいつも人ごとのようだ」と突っ込まれ、「私は、自分自身を客観的に見れるんです。あなたと違うんです。」と答えたのが発祥。

反論になっていない反論をすること自体、客観的とはほど遠い。そもそも、ものごとを客観的に見ることができると考えることが、根本的な間違いである。ものごとを見ている「自分」がいるのだから、その時点で「自分」からは逃れられない。主観からは逃れられない。
ITmedia エグゼクティブの“問われるコーチング力:「思考の枠」が固まった組織は成長しない ” という記事に「思考の枠」を広げるためのひとつとして、「自分を客観的に見る」ということが書かれていた。だが、そのように考えることは、自分を客観的に見ているつもりになるのがおちである。むしろ、自分自身を客観的に見ることはできないと認識し、主観を警戒することが最も客観的に見ようとすることになるだろう。