消費税増税の影響は、ずっと続く
宍戸先生のマクロ経済モデルによれば、数年後も消費税増税の傷跡は深いようです。
消費税増税には、実質所得を引き下げる作用がありますから、消費税増税の影響は、ずっと続きます。1997年の消費税増税後は、1年当り、住宅で4兆円、自動車で1.2 兆円、家電で0.4〜0.5兆円、需要が減少したと見積もりがあります。グラフを見ると、需要は減少する一方です。
民間住宅投資の変動を国民経済計算でみると、96年度には(前年度比13.3%増と)駆け込み需要があったと考えられるが、97年度は前年度比18.9%減、98年度はさらに前年度比10.6%減と駆け込み需要の増加率を大きく上回る率で縮小している。駆け込み需要前と増税後を比較すると、需要水準は年間で 4 兆円の規模で縮小している。キャシン・宇南山論文の0.3兆円とは巨額の差がある。
両年の平均を基準に見ると、約73万台の減少である。この自動車でも、需要は 1.2 兆円程度縮小したと考えられる。
97年の消費税増税を含む財政緊縮政策によって、家電製品に対する国内需要は0.4〜0.5兆円程度縮小し、その影響はおおむね恒久的である。