損益分岐点分析に反する供給曲線

現実経済の市場は、ミクロ経済学の反証に満ちています。ここに挙げているのも、その一つです。

損益分岐点分析(Cost Volume Profit Analysis)とは、会計分析の一つで、費用・販売数量に基づく利益を分析する手法です。

損益分岐点分析では、費用を固定費と変動費に 分けますが、この時、変動費を数量に比例する傾き一定の直線と見なします。すなわち、ミクロ経済学で言うところの収穫一定です。それに対して、ミクロ経済学の右上がりの曲線を導き出すのは、収穫逓減の仮定です。

このように、損益分岐点分析と右上がりの供給曲線は、相容れません。しかし、右上がりの供給曲線に対して疑問を呈する人々はいても、損益分岐点分析に対して疑問を呈する人は聞いたことがありません。