2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ソフトウェア開発それだけでは評価はできない

8日のエントリのコメントに「再利用について論じるのは開発時についてのこと」という言葉がでてくるが、ソフトウェア開発だけを取り出しての評価はできない。ビジネスにおけるソフトウェア開発は手段に過ぎず、ソフトウェア開発の目的をいかに効率的に達成し…

企業の社会的責任

ミルトン・フリードマンの「資本主義と自由」を取り上げてCSR(Corporate Social Responsibility)を批判しているエントリがあった。 最近、CSR(企業の社会的責任)の本をよく見かけますが、このミルトン・フリードマンの法人企業の役員が株主のためにでき…

経済学が役に立たない理由(2)

「均衡モデルは、統制経済をモデル化したもの」と書いた。その根拠は、供給曲線が市場経済ではごく限られた条件下でしか成り立たないからである。 サービスにおいて成り立たない供給曲線 「東証(東京証券取引所)は営利企業」であり、株式取引の場を供給して…

無知や未経験という財産

知識や経験がある種の財産であることは、ほとんどの人達が認めるだろう。だが、無知や未経験もある種の財産であることは、多くの人達が気づいていない。 もしこれを読んでいる初級者の人がいたら、覚えておいてほしい。あなたが「わかりにくいなー」と思った…

理想は開発者=ユーザ

以前から思っていることなんだけど、開発者側にレイヤーが多ければ多いほど開発って失敗しやすくなると思う。 レイヤーが多ければ多いほど、意思決定が遅くなるし、情報が正しく伝わらない度合いが悪化する。 なんとなくこんな言葉が、僕のイメージに近いの…

経済学が役に立たない理由(1)

1月8日の日経の「エコノ探偵団」のタイトルは「経済学は役に立つか?」だった。経済学はこのような疑問が投げかけられるほど役に立っていない。より正確に言うなら、有効性に乏しい。理論物理学なども実用的な学問とは言い難いが、「役に立つか?」と問われる…

横書きが読みにくい理由

縦書きより、横書きの方が読みにくいという意見がある。 では、なぜ読むと疲れるのか。それがずっと分からなかったのだが、ついさっき気づいた。 「横書き」が原因だ!! 慣れの問題だという意見もある。 横書きの文書を読む際に疲れるのは、多分縦書きの文…

ソフトウェア工学が役に立たなかった理由

人々が望む物を作りなさい。 原文では、"Make something people want."となっているが、この考えが生産性を議論する時に欠落しているのが、ソフトウェア工学の最大の問題である。 ソフトウェアの価値を抜きにして生産性は議論できない。売れないもの、役に立…

ソフトウェア開発における部品化のメリットは乏しい

ソフトウェアの再利用について、昨日のエントリで言及した。では、部品化についてはどうだろうか。 ハードウェアにおける部品化は部品交換と製造効率向上のため ハードウェアにおいて、互換性のある部品の集合として製品を設計する最大の理由は、磨耗したり…

極めて高いソフトウェアの再利用率

ソフトウェアの再利用や部品化はソフトウェア開発における生産性向上の切り札的に扱われることが多いが、それらは誤解の産物である。 見かけ上のソフトウェアの再利用率を大幅に下げている数字のトリック しかしながらソフトウエアの再利用は,ミクロなレベ…

管理者の認識と現場の技術者の認識との途方もない違い

ソフトウェア開発にかぎらず、管理者の認識と現場の技術者の認識とでは大きなずれがあることが珍しくない。 12月9日のエントリで紹介した「愚かな決定を回避する方法」という本において、スペースシャトル・チャレンジャーの爆発事故の事故調査報告書の付録…