2008-01-01から1年間の記事一覧

他人と同じことをするのは、ハイリスク・ローリターン

しかし今思えば「他人と同じことをしない」ことは,かえって成功するのに役立ったので,今では「その先生は間違っていた」と自信をもって断言できると言います。確かに,「なぜ他の人と違うことをするの?」という問いが,先生や周りの友達や社会全体に無言…

グーグルはストリートビューの撮影をただちに中止すべき

「グーグルは交通法規も平気で無視する」というエントリが話題になっている。はてなブックマークだけでなく、やじうまWatchでも取り上げられてる。 グーグルはストリートビューの撮影をただちに中止して、抜本的な対策を立てるべきだと思う。人身事故が起き…

急激にローカル化する金融の最先端

経済、特に金融においては、世界中がグローバルに結びついている。だが、一方で金融の最先端では、急激にローカル化が進んでいる。東証(東京証券取引所)は、証券会社の受発注システムの一部を自社のデータセンターなどで預かり、取引所の売買システムに直接…

市場原理主義の非科学性

市場・原理主義。 市場原理・主義。 ぎなた読み的に区切る場所を変えることで、ほとんど正反対に近いくらいに意味が変わってくるのです。 いや、五十歩百歩というか、大差ないものだと思う。少なくとも、「世の中を完全市場に近づける」などという、物理法則…

不況が存在しないことを前提にしている経済学が不況の際に役立つはずがない

昨日の「需要と供給は価格では完全には調整されない 」は、若干、論点がずれていたようだ。「ミクロ経済学では、需要と供給が価格で調整されて一致すると教わる」というのは、供給曲線と需要曲線の交点が価格と数量が定まる機構モデルを想定しているのだろう…

ソフトウェア開発とは何か

「しかし、建設業者は3回やり直さなくても家を建てられるじゃないか」。この手の論議にはうんざりなので、わたしはこう答えることにしている。「それなら建設業者に頼んでソフトウェアを作ってもらえ」 ソフトウェア開発とは、家を建てることではなく、家を…

需要と供給は価格では完全には調整されない

実は、この図には価格は変化しないという前提がある。これは奇妙な話だ。ミクロ経済学では、需要と供給が価格で調整されて一致すると教わるのに、マクロになるとどんなに大きな需給ギャップがあっても価格が動かないと仮定されているのだ。ケインズは、これ…

IPv4の消滅

IPv4は間違いなく足りなくなる。いずれIPv6を使わざるをえないだろう。だが、世の中には古いマシンがたくさんある。Windows XPでも、Service Pack 3以前ではDNSの通信にIPv4を使っている。こういったことを考え合わせると、日本全国から本当にIPv4が消滅する…

パスワードを平文で保存してはならない

パスワード平文保存派を少しだけフォローすると、ハッシュだけで保存するとデータ移行とかで使い勝手が悪い。例えばハッシュ関数にも脆弱性があって、MD5でコリジョンがみつかったんでSHA-1にしましょう、そろそろSHA-1も危ないからSHA-256以上だよね、みた…

規模を生産量の指標にしたための害

以前、「簡単コピー・プログラミングの罠 」という記事で、コピー・プログラミングの危険性について書いた。ここでいうコピー・プログラミングとは、同じアプリケーション開発の中で、似た機能を量産するためにソースコードをコピーすることである。同記事に…

規模を小さくするうえでの最大の障壁

実は、規模を小さくするうえでの最大の障壁は、この通りすがりさんのような、「自分のプロジェクトは特別なんだ」という思い込みや勘違いではないでしょうか。 いや、規模を小さくするうえでの最大の障壁は、規模を生産量の指標にするという誤った慣習が蔓延…

「合理的経済人=バカ」という矛盾

問題は、均衡モデルが想定している条件と現実の経済は違うから、「合理的な」人間は、均衡モデルでは非合理的で、現実経済においては合理的な行動をとるというところにある。 均衡モデルにおいては合理的な行動が、現実経済においても合理的な行動であるとは…

ソフトウェア開発における設計書

以前、「工事進行基準がIT版建基法改悪になるおそれが多分にある」と書いたが、着々と最悪コースを進みつつあるのかもしれない。 誰か工事進行基準とXPについて法的に調べた人はいないのかな。承認プロセスが機能すればいいのだから、「ソースコードが設計書…

均衡モデルを現実経済にあてはめようとする不合理

均衡ってのは、外部のあらゆる雑事がない状況でt→∞でどうなるか、ってのを記述したものなんだからそりゃ現実で見れるもんじゃないだろう。現実は様々なショックが常に加わってるに決まっているわけだから。 問題は、均衡モデルが想定している条件と現実の経…

コメント欄は閉じていないんだけど……

コメント欄閉じてるくせに、トラックバックを送るというのはどういう神経なんだろうか。 悪質なスパムコメントに悩まされたことがあるので、コメントに制限をかけてはいるが、コメント欄を閉じてはいない。また、エントリに無関係なスパムコメントや第三者へ…

自分自身を客観的に見ることはできない

元は、福田総理大臣が辞任表明会見で、記者から「総理の会見はいつも人ごとのようだ」と突っ込まれ、「私は、自分自身を客観的に見れるんです。あなたと違うんです。」と答えたのが発祥。 反論になっていない反論をすること自体、客観的とはほど遠い。そもそ…

現実経済に均衡なんて成り立つのか?

現在のFRB議長であるバーナンキが中央銀行がインフレを起こせることを証明した、「バーナンキの背理法」が証明として充分か否かが話題になっている。 背理法を使うとき忘れてはならないこと 「バーナンキの背理法」の危機!? 最近は経済学を勉強していないけ…

遅すぎる記事

> ソフトウエアは硬い。ハードウエアよりも硬い。ある程度の規模のソフトウエア資産を抱え,それを日々動かしている担当者の方 であれば,ソフトウエアの硬さ,すなわち柔軟性の無さを痛感しておられると思う。 ソフトウエアが硬くなっている,という印象的…

コストパフォーマンスが悪いソフトウェア開発の見積もり

> ソフトウェアの「見積もり」に関する昔からある問題について、アジャイルコミュニティでは最近興味深い議論が起こっている。 J.B.Rainsberger 氏、Arlo Belshee氏、Josh Kerievsky氏、David Anderson氏などは、「そもそも見積もりは本当に必要なのだろ う…

経済学と現実経済との途方もない隔たり

読み書きや算数や万有引力の法則程度の常識として経済学のイロハぐらいをしっかり学ばせていればここまでバカげた言論は跋扈しないはずだが、おそらく日本の場合は経済学のような「学問」は現実のリアル社会には適用できない机上の空論程度にしか考えられて…

自白の任意性

①〜⑨までがイエスであり、⑩で、例えば、自白しなければ、「お前の子供を学校から呼んでお前のことを聞く。そのときに学校の先生に何と説明しようかな。父ちゃんが警察に逮捕されているって言うわけにはいかんだろうが、警察からだってことは伝えるのは仕方な…

CMMが評価するもの

ソフトウェア開発で、世界最高とのお墨付きを受けたインドのソフトウェア開発会社が、なぜ品質の高いソフトウェアを作れないのでしょうか? CMMの認定方法が間違っているのでしょうか? この悲劇は、双方がCMMの基本思想を理解していないことに原因がありま…

初心者向け記事は初歩的な間違いがあることが多い

初心者向け記事は初歩的な間違いがあることが多い、特にHTMLに関しては。ITproに「Webプログラミング5大基礎知識 Part1 HTML」という記事があった。その冒頭で「YES/NOクイズであなたのHTML理解度をチェック!」と書かれているのだが、正直、書いた本人こ…

取引費用をモデルに反映することができない経済学(2)

価格や他の取引条件が同一の時に近い店で買おうとする。そういったごく当たり前の選択を経済学のモデルにも反映させるべきだと言いたいだけである。ところが、経済学の均衡モデルは、同じ商品を無差別的に選択することを前提にしている。そのため、取引相手…

宗教と化している経済学

実験や計算がダメです、間違っています、というような指摘は、これは学問なのですから当然あってしかるべきでしょう。ならば、指摘するべき事実を挙げていけば済むだけで、その指摘が正しいのであれば大多数の学者も「その通りだ」と認めることになるでしょ…

取引費用をモデルに反映することができない経済学

PS: たとえば取引費用ならばすでに約70年研究が進められており、さまざまな成果がある((新)制度学派の話とか面白いと思うんだけど)。でも、TVのコメントやブログの1エントリーレベルでそんな話をしてもみんな「?」なわけで、簡易なツールで済ますわけです。…

「0=1」とするような経済学のデタラメさ

「経済学のデタラメさ」にトラックバックがあったが……。 まったくもってそのとおりで、経済学者はさまざまなことを意図的に無視して論理を構築している。中には非科学的な前提もある。 前提を「デタラメ」と呼んでいるのではない。論理の進め方を「デタラメ…

正当な評価というのはあるのか?

「没落エリートの出現―ビジネス社会から疎外される高学歴就職難民たちー」というエントリを発端にして、話がもりあがっているようだ。 没落エリートの出現―ビジネス社会から疎外される高学歴就職難民たちー - 女。京大生の日記。 女。京大生からはそうみえて…

経済学のデタラメさ

でも、それでも経済法則をモデル化しないことには、なにも世界を記述できない。そしてそれをしたのが経済学であり、経済学の意義だと思う。 「モデル化」することに反対しているつもりはない。問題は、均衡モデルなどでは、モデル化してそれを現実に適用しよ…

価格は偶然で決まる

現実の経済においては、「貨幣価値は経営と顧客が決める」のではなく、「双方の関係性から、必然的に一意に決定されてしまう」のでもなく、価格は偶然で決まると言っていい。現実の経済の大部分は、経済学で言うところの完全競争市場とは大きく違う。現実の…