2006-01-01から1年間の記事一覧

人気商品が安くなる理由

12日の日本経済新聞朝刊の特集「消費をつかむ」で、人気機種で高スペックの商品が、あまり人気がなくスペックも低い商品よりも安くなっている現象が紹介されている。この記事に関してエントリが書かれている。この経済学の常識に反する事実について各々考察…

仕様書がわかりにくい理由

前後方向から見ると正方形、左右から見ると正三角形三角形、上下から見ると円。そういう立体がイメージできるだろうか。そういう立体が下記のページの図1に描かれている。http://www.atmarkit.co.jp/im/carc/serial/doa/02/01.htmlたかだか、三次元の立体で…

究極の質問

「オブジェクト指向とは何か?」というのは一番基本的な質問なだけに、実は明確に答えるのは意外に難しいのだ。またたとえ明確に答えたとしても、初心者にはその答が理解できない。理解するための知識が不足しているためだ。 「オブジェクト指向とは何か?」…

知識の無償提供

tonotonotonoさんが「知識の無償提供が自身の脅威になるか否か」という話を書いていた。 知識の無償提供が自身の脅威になることもある。だが、共通知識の不足でコミュニケーションが成り立たないという、知識の無償提供の脅威以前の話になってしまうことが少…

実在論とは

「私が自然法則の実在性を認めているとかいう誤解」をされたところを見ると、どうも実在論に関する認識が食い違っているようだ。以下に私が理解している「実在論」について述べてみよう。 認識とは独立して存在すると考えるのが実在論 ものごとが認識とは独…

合成の誤謬を理解していない人々

合成の誤謬を理解してないのは日本のマスコミだけか 「小沢民主党への期待」というエントリへのコメントの中で経済学の評価の話になり、マクロ経済学の評価として以下のような話がでた。 とくに「合成の誤謬」は知っとくべきだと思います。日本のマスコミは…

ウォーターフォール型開発はプロジェクトマネージメント不在

ウォーターフォール型開発でもうまくいくことはある はぶあきひろさんがウォーターフォール型開発でもきちんとできればうまくいくと書いていた。 世の中でウォーターフォールを貶している人で、きちんと運営された綺麗な形で成功したウォーターフォールに参…

トンデモという決め付け(3)

「トンデモという決め付け(2)」に対してコメントをもらった。“理科教育に入り込んだ(?)、「現代の科学観」という名のトンデモ”や“理科教育と非実在論・相対主義についての「続き」”を書いた理由はわかった。だが、全くと言っていいほど納得できない。 構…

トンデモという決め付け(2)

「トンデモという決め付け」に対してコメントをもらった。また、“理科教育と非実在論・相対主義についての「続き」”というエントリも書かれていた。特に気になる点が2点ほどあった。 原子や分子が実在すると教えることの危険性 たとえば、原子や分子を実在…

トンデモという決め付け

“理科教育に入り込んだ(?)、「現代の科学観」という名のトンデモ”というエントリがある。だが、そこで挙げられている「現代の科学観」がトンデモとはとても思えなかった。 理論は仮説 例えば、「理科でも取り扱われるさまざまな科学概念、科学理論や法則…

ソフトウェアの仕様をわかりやすく説明する確実な方法

「発注者にやさしいシステム仕様目指し、大同団結」というのがJavaBlackさんに皮肉られていたが、実はソフトウェアの仕様をわかりやすく説明する方法はある。それは、開発したソフトウェアを使って説明することである。これは、皮肉を言っているわけではない…

無意味なデータを大量に流す

「匿名P2Pファイル共有のある社会に生きるということ」というエントリに対して、「ダミーの内容を持つ同種の情報を大量に流すという情報漏洩対策」が提唱されている。ここから一歩踏み出して、無意味なデータを大量に流すことにより、匿名P2Pファイル共有そ…

そもそも市場とは何なのか

「市場主義宣言。」という市場経済に肯定的な言明に対して、「反・市場宣言」という市場経済に懐疑的な言明がなされた。どちらも、市場の姿を捉えようとしていない点で共通しているかのように見える。どちらも、自分の心の中にある「市場」に対して賛否を述…

マスメディアの理不尽な未成熟さ

ブログの未成熟さを取り上げた「これでいいのか? ブログ世界の理不尽な未成熟さ」という記事が書かれていた。確かにブログは成熟しているとは言えない。だが、ブログだけが未成熟というわけではない。松本サリン事件で無実の被害者を犯人扱いして言論上のリ…

本物のプログラマ

“浮ついた「ギーク」への説教(※老害注意)”というエントリがちょっとした話題になっている。 http://zerobase.jp/blog/entry-302.html http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50432430.html http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2006/03/post_8367.h…

経済学が役に立たない理由(4)

「右上がりの供給曲線は供給量が需要量以下であることを前提としている」と書いた。では、なぜ均衡モデルでは供給者が「供給量が需要量以下である」かのように行動すると考えるのだろうか?それは、均衡モデルでは、同じ種類の製品やサービスを無差別的に扱う…

賃金が下がっても労働需要は増えない

「若者の所得格差拡大」というエントリで、正社員の賃金があまり下がらず、新規の雇用がパートなどの非正規労働に集中して若者の所得格差が拡大したと書かれていた。「若者の所得格差が拡大した」ということには異論がないが、気になる箇所がある。 若年層に…

Re: 法に関する過大な期待

19日のエントリに対してけったいな刑法学者さんからトラックバックがあった。 刃物はどんどん切れ味鋭くしてもらってかまわないです。ようは、使い方を間違わなければいいんです。で、変な使い方をして、人に迷惑をかけたり、傷つけたりしたら、それなりの責…

人を傷つけられない包丁は包丁ではない

新設されようとしている「不正指令電磁的記録に関する罪」における「作成罪」に関して議論が続いている。 http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20060314.html http://strafrecht.typepad.jp/blog/2006/03/post_eb88.html http://takagi-hiromitsu.jp/diary/200…

せめてP2Pという言葉の意味を理解してから議論してくれ

ITmediaで「P2Pソフトは悪者なのか」とか「P2P技術を差し止めるもの」とかP2Pという言葉をタイトルに含むエントリが続けてでてきた。だが、どうも話題にしているのは、P2Pではなく、ファイル交換ソフトのようだ。P2P(Peer to Peer)とは、コンピュータの通信…

数学は厳密さを保証しない

経済学が数学を使うのは「その方が楽だから」に他なりません。日常言語は多義的な部分が多いため、それをつかって厳密な議論を使用とすると各タームの定義を下すのに膨大な紙幅を費やしてしまう上、書き手の方もうっかり混乱してしまったりする……それを防ぐ…

なぜ経済学の科学性に疑問符がつくのか

PC系の辛口評論で知られる中村さんがウェブページで、「こういう経済学は科学じゃない」と書いたことをきっかけに、経済学の科学性についていろいろな意見が出てきた。 http://iiyu.asablo.jp/blog/2006/02/25/267596 http://iiyu.asablo.jp/blog/2006/02/26…

経済学の過大評価

経済学が過大評価されているように思う。 私にとって、正三郎さんと月一回のみに行く機会があるだとか、Larry Wallさん(ここではあえて「さん」付き)と萌えとPerl6の話しを同時進行させるだとか、Matzさんとblogで言葉を交わすだとか、面白かった本の書評に…

内容を疑うことの限界

システム要件を捉えるために疑り深さが必要であることは否定しない。記述されている内容を全て額面どおりに受け取るのは愚かである。だからといって、疑いさえすればいいというわけではない。「徹底的に疑心暗鬼であり続ける」ようにしたら、時間がいくらあ…

経済学が役に立たない理由(3)

「サービスにおいて供給曲線は成り立たない」と書いた。製品の供給についてはどうだろうか。 価格が変化しなくても需要量と供給量とは物理法則に従ってつりあう 需要量以上の供給能力があれば、価格が変化しなくても、需要量と一致するまで供給量が減少し、…

システムの施工って?

「システムの設計と施工を分離する」というエントリがあった。タイトルだけで頭が痛くなりそうなエントリである。 工学的な設計文書と呼べるのはソースコードだけ ソフトウェア・システムの開発において、建設における施工に相当するフェーズは通常存在しな…

伝言ゲームの悪夢

「情報提供者は誰か」というエントリに一次情報源にリンクすべきだという話がでていた。 情報をちゃんと確認しないと、伝わるうちに歪曲されてしまい、とんでもないデタラメな話になってしまうことがある。そうしたケースは、超常現象の話などによく見られる…

企業の社会的責任(2)

1月25日のエントリに対しての批判があるが、「現実に企業の責任が問われるケースの多くは、企業が社会に損害を与えた場合である」という点をほとんど無視しての批判である。トラックバックしてきたエントリにいたっては、「無責任」という言葉にただ噛み付い…

客観性信仰、合理性信仰、科学信仰(2)

4日のエントリに対して、まさにエントリで批判の対象として想定していたような考え方でのコメントがあった。 「主観的、非合理的、非科学的」とか言うだけなら誰でもできる 「主観的、非合理的、非科学的」とか言うだけなら誰でもできる。言われている方より…

客観性信仰、合理性信仰、科学信仰

客観的、合理的、科学的といった言葉は、どちらかと言えば、信仰とは対立するものであるが、これらの言葉に憧れるあまり、信仰に陥っていることが珍しくない。神に憧れるあまり、神の名を騙る悪魔を崇拝してしまうようなものである。客観的、合理的、科学的…