電力は例外的1

限界費用が増大する限界費用曲線の例として、電力を挙げている本がありました。しかしながら、電力は、商品としても、構成する機器のいくつかも、例外中の例外と言えるほど例外的なものです。 原子力発電機器や水力発電機器は、機器として例外的なものです。…

政府の債務は借金ではなく、単なる約束事

発行済み日本銀行券(紙幣)や発行済み円建て国債等が日銀や政府の債務として扱われるのは、「それらを債務として扱う」という約束事の結果に過ぎません。ゼロの階乗を1とするのと同様、単なる約束事です。 nの階乗は、nから1までの積です。ゼロの階乗はゼ…

光は遅すぎる

現実経済の市場は、ミクロ経済学の反証に満ちています。ここに挙げているのも、その一つです。 部分均衡モデルや一般均衡モデル等のミクロ経済学では、価格が一瞬で伝わり、価格の伝わる速さは無限大であるかのように仮定されています。しかし、現実には、価…

ミクロ経済学者は「合理的な人々」ではない

現実経済の市場は、ミクロ経済学の反証に満ちています。ここに挙げているのも、その一つです。ミクロ経済学者に対する皮肉になっています。 経済学の十大原理と呼ばれるものの一つに以下のようなものがあります。 合理的な人々は限界原理に基づいて考える そ…

限界費用からは、夏にホットコーヒーを売り、冬にアイスコーヒーを売る

現実経済の市場は、ミクロ経済学の反証に満ちています。ここに挙げているのも、その一つです。 限界費用から供給の数量を決めたりしていない直接的証拠もあります。限界費用から言うと、夏にホットコーヒーを売り、冬にアイスコーヒーを売るはずだからです。…

商品の限界費用を素早く、正確に知ることはできない

現実経済の市場は、ミクロ経済学の反証に満ちています。ここに挙げているのも、その一つです。 ミクロ経済学の部分均衡モデル等では、商品の供給の数量は、商品の限界費用と市場価格が一致するレベルで決まると仮定されています。しかし、現実経済に合ってい…

なろうのエッセイに転載を始めました

一部のエントリをなろうのエッセイに転載を始めました。こちらに最初に投稿する予定です。

努力は報われないかもしれない

「努力は報われてほしい」という願望は、私にもあります。なろう系とか呼ばれるジャンルに、婚約破棄とかパーティー追い出しとかが多いのは、それが理由の一つかもしれません。いや、異世界転生とか異世界転移ものも、そうかもしれません。 しかしながら、努…

完全競争市場という名の完全妄想市場

現実経済の市場は、ミクロ経済学の反証に満ちています。ここに挙げているのも、その一つです。 完全競争市場ではなく、完全妄想市場、百歩譲っても完全願望市場と呼びたい程です。現実経済の市場をモデル化したものではなく、ミクロ経済学者の願望をモデル化…

世界は売れ残りで満ちている

現実経済の市場は、ミクロ経済学の反証に満ちています。ここに挙げているのも、その一つです。厳密に言うなら、完全競争市場に対する反証です。 日本では、大量の商品が様々な店の店頭で売られています。商品の種類や数の違いこそあれ、大量の商品が様々な店…

損益分岐点分析に反する供給曲線

現実経済の市場は、ミクロ経済学の反証に満ちています。ここに挙げているのも、その一つです。 損益分岐点分析(Cost Volume Profit Analysis)とは、会計分析の一つで、費用・販売数量に基づく利益を分析する手法です。 損益分岐点分析では、費用を固定費と変…

同じ商品を区別しないというミクロ経済学の反現実的仮定

同じ商品を区別しないという、部分均衡モデルや一般均衡モデル等のミクロ経済学の仮定は、反現実的です。ほとんどバカげていると言っていいほどです。なぜなら、私達は一般的な商品を買う時、同じ商品であっても区別しているからです。あまりにも無意識的に…

需要と供給の一致に価格は必要ない

需要の数量と供給の数量が一致することに価格は必要ありません。一致すること自体は、単なる物理的現象に過ぎません。 例えば、水道の蛇口にホースの一方を付けることを考えてみましょう。蛇口からホースに単位時間あたりに流れ込む量とホースのもう一方から…

投資は需要で決まる

投資は需要で決まります。厳密に言うなら、投資の額は、金額換算した需要の数量の予想される値(需要の期待値)で決まります。 投資は、供給のピークが供給能力の上限にある程度近づいた段階で行う必要があります。供給のピークが供給能力の上限で抑制されるこ…

供給は需要で決まる

各々の供給者(売り手)の供給の数量は、その供給者(売り手)に対応する需要家(買い手)の需要の数量で決まります。なお、ここでは、供給の数量が、需要の数量の変化に比べて充分短い時間で変化する場合を想定しています。 供給の数量が需要の数量で決まる理由は…

現実の市場は小さな独占市場の集合

現実の市場は小さな独占市場の集合と見なせます。『各々の買い手はある商品を単一の売り手からのみ買う』と見なせますから、単一の売り手とそれを相手とする小さな独占市場が集合したものと見なせます。 但し、各々の小さな独占市場の境界付近では、ある種の…

各々の買い手はある商品を単一の売り手からのみ買う

各々の買い手はある商品を単一の売り手からのみ買うと近似できます。ここでは、買い手が売り手より多い一般的な商品を想定しています。また、買い手や売り手という言葉を使うのは、流通業者等を意識したからです。 『同じ商品でも買い手は売り手を選択する』…

モデルから外した要素を追加できないミクロ経済学のモデル

『ミクロ経済学には数学的基礎は無い』では、説明が不十分だったようなので、説明し直します。 自然科学では、理想化・抽象化したモデルにモデルから外した要素も追加して、より現実的なモデルに拡張することが一般にできます。しかし、部分均衡モデルや一般…

日銀が国債を大量に買っただけではハイパーインフレにはならない

日銀が国債を大量に買っただけではハイパーインフレにはなりません。 『日銀が国債を大量に買えば、ハイパーインフレになる』と主張する人々がいます。しかし、日銀の国債大量購入にもかかわらず、ここ四半世紀ほどデフレ気味です。最近、輸入食糧や円安の影…

同じ商品でも買い手は売り手を選択する

同じ商品でも買い手は売り手を選択します。これは、取引条件の良い売り手を積極的に選択するという意味ではありません。同じ商品でも買い手は売り手を無意識的に選択してしまうということです。なお、ここでは、買い手が売り手より多い一般的な商品を仮定し…

取引に付随する費用の影響は大きい

商品の価格、数量を含めた、取引全体の費用における取引に付随する費用の影響は、相対的に見るとかなり大きいです。部分均衡モデルや一般均衡モデルは取引に付随する費用を無視したモデルですので、取引に付随する費用は軽視されがちです。しかし、これは間…

ミクロ経済学には数学的基礎は無い

ミクロ経済学には数学的基礎はありません。ミクロ経済学に数学的基礎があると信じている多くの人々がいるに過ぎません。 例えば、供給曲線と需要曲線の交点で市場における価格と数量が決まるという部分均衡モデルを考えてみましょう。このモデルでは、価格と…

貨幣は負債ではなく債権では?

私は、MMT(Modern Monetary Theory、以下MMT)については、大まかには賛成の立場です。しかし、一点、どうしても納得がいかないものがあります。それが、「貨幣は負債である」というMMTの定義です。逆に見えます。負債ではなく、反対側の債権であるように見え…

需要の和や供給の和は客観的に計算できない

『需要の和や供給の和は客観的な計算ができない』と書きましたが、これを詳細に説明してみましょう。 需要曲線や供給曲線は、ミクロ経済学の教科書の冒頭に出てきますが、需要の和や供給の和を計算するには、3点ほど、問題があります。 値を足し合わせるこ…

除菌詐欺に騙されるな

『首掛け空気清浄、根拠なし』という記事がありましたが、この手の簡易空気清浄、除菌は、まず、詐欺です。この手の除菌は、ウイルスや菌を死滅させる前に本人が死にます。熱湯消毒は、ウイルスや菌より、人間が先に死にます。 一般に、ウイルスや菌より、人…

ミクロ経済学に騙されないタメに

『ミクロ経済学には基礎が無い』を補足、拡張して、説明し直します。 失われた30年などと呼ばれ、長い不況が続いています。この原因はなんでしょうか?私は、その最たるモノは、ミクロ経済学の基礎にある間違いのせいだと考えています。間違った経済学による…

弱者保護の大きな経済利益

弱者保護は、人道的な面だけでなく、マクロ経済の面からも大きな経済利益をもたららします。弱者保護のために政府支出を増やせば、税収も増えます。社会全体の経済規模も拡大します。そういう効果は、一般に、弱者ほど高く、弱者保護は、マクロ経済の面から…

政府は無限の財源を持つ

政府は無限の財源を持っています。管理通貨制における独自通貨は、いくらでも発行できます。課題は、インフレだけです。そして、インフレ率は、ある程度抑制可能です。 政府は無限にお金を発行できる 政府は理論的には、無限にお金を発行できます。少なくと…

いきなりのハイパーインフレという大嘘

MMT(Modern Monetary Theory,)の批判などを読んでいるとよく出てくるのが、いきなり、ハイパーインフレになって経済が収拾がつかなくなるという意見です。これは、はっきり間違いです。 いきなりのハイパーインフレと唱えている人々は、価格の仕組みを理解し…

消費税という悪税

消費税は悪税です。下記のように三拍子揃った悪税です。 消費の抑制 支出側への課税 逆進的 消費税は、年金所得者など、ほぼ消費のみの人々に対しても課税されるので不公平を是正すると言う人達もいます。しかし、これは、誤解に過ぎません。消費税は不公平…