経済学

損益分岐点分析に反する供給曲線

現実経済の市場は、ミクロ経済学の反証に満ちています。ここに挙げているのも、その一つです。 損益分岐点分析(Cost Volume Profit Analysis)とは、会計分析の一つで、費用・販売数量に基づく利益を分析する手法です。 損益分岐点分析では、費用を固定費と変…

同じ商品を区別しないというミクロ経済学の反現実的仮定

同じ商品を区別しないという、部分均衡モデルや一般均衡モデル等のミクロ経済学の仮定は、反現実的です。ほとんどバカげていると言っていいほどです。なぜなら、私達は一般的な商品を買う時、同じ商品であっても区別しているからです。あまりにも無意識的に…

需要と供給の一致に価格は必要ない

需要の数量と供給の数量が一致することに価格は必要ありません。一致すること自体は、単なる物理的現象に過ぎません。 例えば、水道の蛇口にホースの一方を付けることを考えてみましょう。蛇口からホースに単位時間あたりに流れ込む量とホースのもう一方から…

投資は需要で決まる

投資は需要で決まります。厳密に言うなら、投資の額は、金額換算した需要の数量の予想される値(需要の期待値)で決まります。 投資は、供給のピークが供給能力の上限にある程度近づいた段階で行う必要があります。供給のピークが供給能力の上限で抑制されるこ…

供給は需要で決まる

各々の供給者(売り手)の供給の数量は、その供給者(売り手)に対応する需要家(買い手)の需要の数量で決まります。なお、ここでは、供給の数量が、需要の数量の変化に比べて充分短い時間で変化する場合を想定しています。 供給の数量が需要の数量で決まる理由は…

現実の市場は小さな独占市場の集合

現実の市場は小さな独占市場の集合と見なせます。『各々の買い手はある商品を単一の売り手からのみ買う』と見なせますから、単一の売り手とそれを相手とする小さな独占市場が集合したものと見なせます。 但し、各々の小さな独占市場の境界付近では、ある種の…

各々の買い手はある商品を単一の売り手からのみ買う

各々の買い手はある商品を単一の売り手からのみ買うと近似できます。ここでは、買い手が売り手より多い一般的な商品を想定しています。また、買い手や売り手という言葉を使うのは、流通業者等を意識したからです。 『同じ商品でも買い手は売り手を選択する』…

モデルから外した要素を追加できないミクロ経済学のモデル

『ミクロ経済学には数学的基礎は無い』では、説明が不十分だったようなので、説明し直します。 自然科学では、理想化・抽象化したモデルにモデルから外した要素も追加して、より現実的なモデルに拡張することが一般にできます。しかし、部分均衡モデルや一般…

日銀が国債を大量に買っただけではハイパーインフレにはならない

日銀が国債を大量に買っただけではハイパーインフレにはなりません。 『日銀が国債を大量に買えば、ハイパーインフレになる』と主張する人々がいます。しかし、日銀の国債大量購入にもかかわらず、ここ四半世紀ほどデフレ気味です。最近、輸入食糧や円安の影…

同じ商品でも買い手は売り手を選択する

同じ商品でも買い手は売り手を選択します。これは、取引条件の良い売り手を積極的に選択するという意味ではありません。同じ商品でも買い手は売り手を無意識的に選択してしまうということです。なお、ここでは、買い手が売り手より多い一般的な商品を仮定し…

取引に付随する費用の影響は大きい

商品の価格、数量を含めた、取引全体の費用における取引に付随する費用の影響は、相対的に見るとかなり大きいです。部分均衡モデルや一般均衡モデルは取引に付随する費用を無視したモデルですので、取引に付随する費用は軽視されがちです。しかし、これは間…

ミクロ経済学には数学的基礎は無い

ミクロ経済学には数学的基礎はありません。ミクロ経済学に数学的基礎があると信じている多くの人々がいるに過ぎません。 例えば、供給曲線と需要曲線の交点で市場における価格と数量が決まるという部分均衡モデルを考えてみましょう。このモデルでは、価格と…

貨幣は負債ではなく債権では?

私は、MMT(Modern Monetary Theory、以下MMT)については、大まかには賛成の立場です。しかし、一点、どうしても納得がいかないものがあります。それが、「貨幣は負債である」というMMTの定義です。逆に見えます。負債ではなく、反対側の債権であるように見え…

需要の和や供給の和は客観的に計算できない

『需要の和や供給の和は客観的な計算ができない』と書きましたが、これを詳細に説明してみましょう。 需要曲線や供給曲線は、ミクロ経済学の教科書の冒頭に出てきますが、需要の和や供給の和を計算するには、3点ほど、問題があります。 値を足し合わせるこ…

ミクロ経済学に騙されないタメに

『ミクロ経済学には基礎が無い』を補足、拡張して、説明し直します。 失われた30年などと呼ばれ、長い不況が続いています。この原因はなんでしょうか?私は、その最たるモノは、ミクロ経済学の基礎にある間違いのせいだと考えています。間違った経済学による…

弱者保護の大きな経済利益

弱者保護は、人道的な面だけでなく、マクロ経済の面からも大きな経済利益をもたららします。弱者保護のために政府支出を増やせば、税収も増えます。社会全体の経済規模も拡大します。そういう効果は、一般に、弱者ほど高く、弱者保護は、マクロ経済の面から…

政府は無限の財源を持つ

政府は無限の財源を持っています。管理通貨制における独自通貨は、いくらでも発行できます。課題は、インフレだけです。そして、インフレ率は、ある程度抑制可能です。 政府は無限にお金を発行できる 政府は理論的には、無限にお金を発行できます。少なくと…

いきなりのハイパーインフレという大嘘

MMT(Modern Monetary Theory,)の批判などを読んでいるとよく出てくるのが、いきなり、ハイパーインフレになって経済が収拾がつかなくなるという意見です。これは、はっきり間違いです。 いきなりのハイパーインフレと唱えている人々は、価格の仕組みを理解し…

消費税という悪税

消費税は悪税です。下記のように三拍子揃った悪税です。 消費の抑制 支出側への課税 逆進的 消費税は、年金所得者など、ほぼ消費のみの人々に対しても課税されるので不公平を是正すると言う人達もいます。しかし、これは、誤解に過ぎません。消費税は不公平…

ミクロ経済学には基礎が無い

『計算順序という経済学の初歩的問題』で説明したつもりでしたが、不十分だったようなので、別途記述します。 ミクロ経済学は基礎に欠けています。正確に言うなら、ミクロ経済学は、基礎的な数学的裏付けが大幅に不足しています。 ミクロ経済における経済判…

国債は返済不要

国債は、政府の債務、借金であり、返済しなければならないと言われます。これは、ある意味間違いです。 少なくとも、独自通貨建ての国債は、国民の資産であることが本質です。独自通貨建ての国債が、政府にとって、債務、借金であるというのは、方便に過ぎま…

緊縮脳は化石脳

緊縮とか財政均衡とかを唱えている人々は、経済理解が大昔の段階で止まっている人々です。現在の日本が主権通貨国であることに対応できていません。化石のような脳ミソ、化石脳の持ち主と言っていいでしょう。 主権通貨国はいくらでも通貨を発行可能 日本の…

財政黒字はバブルのしるし

財政黒字は、「黒字」であり、望ましいものと一般に信じられています。しかし、実際には、財政黒字は、多くの場合、大規模な不況、そしてその不況による財政赤字の先駆けとなります。そのため、『財政黒字は危機の予兆?』と疑問符が付けられています。 財政…

消費こそ経済の基盤

消費こそ経済の基盤です。消費があるから投資がありますし、供給があります。日本の社会は消費によって支えられていると言っていいでしょう。消費が日本経済の制約になっています。消費を伸ばすことが日本社会の発達のためには必要です。 消費があるから投資…

所得は支出の結果

誰かの所得は、別の誰かの支出の結果です。この基本的な因果関係が理解されていないため、多くの不適切な経済政策が実施されています。マクロ経済の三面等価の法則は、マクロ経済における「所得=支出」を示します。これから、個々の取引における「所得=支…

PB黒字化目標は有害無益

PB(Primary Balance)黒字化目標は、有害無益です。 日本政府(以下、政府)は、理論上は、いくらでも歳入を増やすことができます。したがって、政府は、本来、国債関係を除いた、歳入と歳出の比であるPBを気にする必要はありません。 政府のPBの黒字化は、国民…

需要と供給の一致に価格は必要ない

需要と供給の一致は単なる物理的法則で説明できます。分岐の無い定常的なフロー(流れ)においては、入ってくる量と出ていく量は一致します。価格は必要ありません。価格が必要だということは、部分均衡モデルは、必要以上に複雑過ぎるということです。また、…

供給曲線は存在しない

現実の市場には、供給曲線は存在しません(商品取引所などの取引所内部の市場や買い手独占型の独占市場を除く)。現実の市場は、売り手独占型の独占市場の集まりとなります。こうした市場においては、各供給者の供給量は、各供給者に対する需要で決まります。…

現実の市場は小さな独占市場の集まり

市場について考える時は、価格、すなわち取引される商品そのものの費用だけでなく、移動等の取引に付随する費用(時間等の費用も含む)も考慮する必要があります(商品取引所内部の取引等を除く)。移動等の費用を考慮すると、需要家は最良の条件の供給者から買…

計算順序という経済学の初歩的問題

経済学(特にミクロ経済学)には、計算の順序という初歩的な数学上の大問題があります。多くの経済学者がこの問題の存在を忘れていることが経済学に致命的欠陥をもたらしています。多くの経済学者は算数レベルの法則を忘れています。この問題のため、ミクロ経…